
トイレが近い、あるいは1日に10回以上もおしっこに行くことを頻尿といいます。頻尿の主な原因は男性と女性で異なります。その原因と特徴、治療、と予防についてお話しします。
まず、男性の頻尿で一番多い病気が前立腺肥大です。前立腺とは尿道の潤滑油みたいなものを分泌する、膀胱の下にあり、尿道(尿の通り道)にマフラーのように巻きつくように存在する小鶉卵大の臓器です。これが腫れてくると特徴的な3つの症状が出ます。
- (1)夜間の頻尿:夜何回もトイレに行く。
- (2)排尿障害:尿を出そうと思ってもなかなか出ない。尿が細くなる。尿を出すのに時間がかかる、など。
- (3)残尿感:排尿後にまだ残った感じあるいはまだ出たい感じがする。
このような症状を認めた場合、尿道を広げる薬を内服すると良くなります。
次に女性の頻尿で一番多いのが膀胱炎です。女性は、膀胱と外尿道口(尿の出口)との距離が短いため細菌が逆流しやすく膀胱炎にかかりやすい構造になっています。
膀胱炎の症状は
- (1)頻尿:1日10回以上トイレに行く。
- (2)排尿時痛:尿を出すときに痛みがある。
- (3)残尿感:排尿後も残った感じがする。
以上のような症状を認めた場合、抗生剤の内服が有効となります。
予防としては、
トイレを我慢しないこと。下腹部を冷やさないこと
お茶やお水をどんどん飲んで、尿を多く出すように心がけること外尿道口(尿の出口)を清潔にすることとなります。
あと40、50歳代の女性に意外に多いのが、更年期の神経過敏に伴う頻尿です。この特徴はとにかく尿意が多く残尿感も強いのですが、他に神経が集中することがあるとその間は何の症状も無いのが特徴です。これは時期が来るとなおります。